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2009年9月

2009年9月17日 (木)

JIS A 5308:2009 への猶予期間は,平成21年9月19日までです!

平成21年3月20日に公示された,JIS A 5308 : 2009への猶予期間は,
平成21年9月19日までです。

JIS A 5308:2009 のまえがきに、次のように明記されています。

・・・,JIS A 5308 : 2003 は,この規格に置き換えられた。
なお,平成21年9月19日までは,JIS A 5308 : 2003によることができる

猶予期間の終了は,『 立入検査 』 の再開をも意味します。St1

社内規格などの見直しは,終わりましたか ?

残るは,平成22年4月1日から適用することになっている,
単位量を記載する 『 レディミクストコンクリート納入書 』 への対応です。

Tile7  JIS登録認証機関協議会(JISCBA)解釈集が改訂されています。(2009.9.2) ==============================================================================================================

2009年9月 3日 (木)

統一品質管理監査って

私たちの大阪兵庫地区でも,秋のイベントである,『全国統一品質管理監査』が,9月14日から10月23日にかけて行われます。

監査に先立って, 「大阪兵庫生コンクリート品質管理監査会議」 から送られてきた 「品質監査基準(平成21年度版)」 に目を通してみました。

地区会議の基準を除き, 全国生コンクリート品質管理監査会議が公表している,「 平成21年度 全国統一品質管理監査基準」 と同じで,昨年のものと比較しても,関連 JISの改正によるもの以外は,監査基準として大きな変更はないように思われました。

なかには,基礎資料(B2501) として追加された項目もありますが, JIS工場としては当然整備してある資料を集約したもので,あらたに取り組むべきものでもありません。
(確認:砕石及び砕砂の微粉分量の範囲の決定根拠となる資料)

細かなところでは,産業廃棄物として “コンクリートくず が明記されたり(A0603),スラッジ水を使用する場合 (B4207,B5124) の項目や 付着モルタル(B4601) に関する基準が追加されたほか,ところどころに 「JIS Q 17025 に適合した試験機関(自己適合宣言も含む)」 との文言が見受けられます。

「品質管理監査基準」は,大阪兵庫地区では,全国統一のA・B・C 3区分と大阪兵庫工業組合独自基準のD区分の合わせて4区分,合計133項目について設定されています。

A 総括的事項の調査(22項目)
B 個別的事項の調査(85項目+望ましい事項11項目)
C 実地調査(5項目)
D 地区会議独自の基準(10項目)

個人的には,区分Aは会社の『質』を問うもので,ISO9001の思想が盛り込まれており,運営系のPDCAの調査であり,一方,区分BとCは,製品の『質』をJIS A 5308および関連するJIS規格に基づいて,生産系のPDCAを確認していると理解しています。

ここで, 「平成21年度版 全国統一品質管理監査基準」 の中に出てくる関連のする 「語句」 を数えてみました。

      Kansa00

      Kansa01  

「有効」という語句は,区分B・Cにはなく,「適合」という語句は,区分Aにはありません。
このことからも,区分B,Cで 「適合性評価」 を,区分Aでは 「有効性評価」 を目指しているのだと思われます。

ここで,少数派の意見を 2つ披露させていただきます。

Edit  監査の目的

大阪兵庫工業組合が参画した 平成9年当時,工業組合の担当者に 『 監査の目的 』 についてお尋ねしたことがあります。
「工場のレベルアップを図るためだ!」 とのお答えでした。

昨年(平成20年度) の監査の際にも,思うことがあり工業組合の方に改めて 『監査の目的』 についてお尋ねしました。
「全国統一品質管理監査結果報告書の2.監査制度の仕組みに書いてある」とのご返事でした。

その項には,次のように書かれています。

2. 監査制度の仕組み
  ・・・
  この制度は,中立性,公正性,透明性を高めた監査によって生コンクリートの一層の
 品質向上を図り,かつ,購入者の高い評価を得ることを目的として,産・官・学によって
 構成された全国会議が生コンクリート業界からの要請を受けて実施しているものである。
  ・・・

全国生コンクリート品質管理監査会議 のホームページに公表されている,平成14年度以降は,それまでの 「品質管理監査結果報告書」 とは違い 「品質管理監査結果の概要」 となっているため,その項は掲載されていませんが,「品質管理監査結果報告書」には明記されています。

また,「全国統一品質管理監査制度(品管)」のページの経緯には,
『・・・,購入者からの信頼性を高めることを目的に ・・・ 』 とされています。

監査員の方々に,『監査の目的』 を尋ねるとそれぞれに違った思いを聞くことができます。

監査員の高位平準をめざした,『監査員研修会』の最初の時間に,「監査員の心構えとマナー」として毎回,【心構え】の第1番目に,「監査制度の目的を十分に心得ていること」 が教授されます。

しかし,いまだかつて「監査制度の目的」について,お話をしていただいたことがありません。

生コンクリート業界に対する信頼を回復するために,ドアのノックの方法より,非常に重要なことだと思っています。

Edit  マネジメントレビュー

A  総括的事項の調査の項目 1. 経営者の品質方針の監査基準が,変更になっています。

この項目には,3つの調査(A0101, A0102, A0103)があります。

「経営者は,企業の経営に携わる取締以上の役職者とする。」の1行が,A0103 から A0101 に移動されたことは違って,A0102の変更は行数は減ったものの対応には若干の混乱があるかもしれません。

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平成20年度監査基準

A0102 組織の品質管理システムが有効に機能していること及び各部署の品質目標の
達成度について,あらかじめ定めた間隔で経営者自身によるチェックが行われて
いること。

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平成21年度監査基準

A0102 組織の品質管理システムが有効に機能するために,あらかじめ定めた間隔で
経営者自身による品質管理システムの評価が行われていること。

平成21年度監査基準(大阪兵庫)

A0102 組織の品質管理システムが有効に機能するために,あらかじめ定めた間隔で
経営者自身による品質管理システムの評価及び指示が行われていること。

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実は,この調査では, 7項目の報告(インプット) と 3項目の指示(アウトプット) の記録の確認を要求しているのです。
ISO認証工場の方々ならば,経験のある「マネジメントレビュー」に相当する項目です。
ただ,ここでは 「品質マネジメントシステム」 とせずに 「品質管理システム」 としているところに意味があります。
このような表現で,工場運営に必要以上入り込まないで,監査は「製品」に関係するものに限定しているのだと判断しています。

ISO9001(JIS Q 9001)の思想が,JIS規格にも反映しています。
統一監査にも,いままで,生産現場では関係ないと思われがちであった,「品質方針」,「品質目標」,「不適合製品」 などが追加され,製造現場の担当者たちは,苦手な運営に関わる内容を,不十分な情報で取り繕わなくてはならなくなりました。

この調査では,「経営者に活動の結果を報告するシステムがあるのか?それを受けた経営者が指示するシステムがあるか?」  を書類を通じて確認することになっているようですが, そもそも人々が所属する工場で汗水を流し生活を営んでいるならば,工場の規模の大小を問わず,そのシステムは必ず存在します。

ISO9001では,序文に「品質マネジメントシステムの採用は,組織の戦略上の決定によることが望ましい。」となっています。
さらに,「この規格は,品質マネジメントシステムの構造の画一化又は文章化の画一化を意図していない」としています。

ISO9001を導入している組織には,「レッテルが欲しい」,「品質を向上したい」,「会社を改善したい」とか,それぞれに目的があり,規格の要求事項を満足した各々の方法を持っています。
このような許容された思想の中で, 『運営の質の向上』 を画一的にとらえ理想とするのは無理があり,監査基準の変更だけでの変革は困難です。

運営系(ISO9001)についての監査は,「アナログ」の監査で程度の問題です。

一方,生産系(JIS A 5308)に関わることは「デジタルの監査」で×であり,認証工場である限り必ずでなければならず,遵守することが義務であり責任です。

「 生産現場から遠いところでつくられた監査基準だな 」 とイライラしていましたが,監査基準を読み返すにつれて,頭が冷えてきました。

「書類をつくらせたって,品質は良くなれへん。その前に地道な業界としての舵取りが必要や!」と言いたかったのが,慣れない丁寧な言葉を使ったためペースが乱れました。

A0102 は,監査員に説明するのが不安と思えば, 7項目(インプット)と 3項目(アウトプット)をまとめた,マネジメントレビュー議事録を作成しておけば,問題なく通過します。

しかし,品質管理体制に自信がある工場は,わざわざ監査のために様式を追加や変更する必要はなく, 7項目に関連するそれぞれの記録を提示して,説明してあげれば良いと考えます。

くどいようですが,「経営者自身による」,品質管理システムの評価(及び指示)が行われていることになっているので,当然「経営者」の方のコメントやサインが必要です。

最後に,次の項目を勘違いしないように

A0401 ・・・ 教育訓練の有効性を評価していること

A0504 ・・・ 再発防止策を実施していること。
         また,実施した再発防止策の有効性を評価していること.

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        絶滅期待種

            少数派のオッチャン

2009年9月 1日 (火)

『 健忘 』

ボンド,ベトン・ボンド。
なんて言いながら,いつもの調子は出ません。

まずはお詫びします。
民営化 』の最後では,あの特殊法人について再度レポートしますといったメッセージでくくっていました。

一方,あの記事を書いていたのが 盆休み前であったことと, 盆休みをこころゆくまで満喫したためか,『 終夏 』を書き終えるまですっかり忘れていました。

普段,子供には“ウソつきはドロボウの始まり” と諭していますが,言った本人が一番怪しかったようです。

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さて,元公団の▲験課の話の続きです。
前回は,「吹きつけコンクリートの配合作成」でしたが,今回は「通常のコンクリートの配合作成」です。
ひとつの配合を作成するための手順は以下の通りです。

  1. 試験練り用に準備された骨材の確認(表乾状態,粒度分布)
  2. 配合設計値の確認(目標スランプ・空気量,目標強度値の検証)
  3. フレッシュ状態の最適な単位水量・s/aの決定
  4. C/W-σ 関係式,水セメント比の決定

それでは,順番にご説明します。
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1. 試験練り用に準備された骨材の確認
   ここでは,次の試験により準備した骨材を評価します。
   細骨材: ① フローコーンによる表乾状態確認
② JIS A 1111 『 細骨材の表面水率試験 』
③ JIS A 1102 『 骨材のふるい分け試験 』
   粗骨材: ① 目視による表乾状態の確認
② JIS A 1102 『 骨材のふるい分け試験 』

 

200909011

 

細骨材表乾状態の評価は,フローコーンとチャップマンフラスコで表面水率を測定します。
民営化以前の約10年ほど前には,細骨材の表乾密度も測定していました。
現在では,フローコーンで表乾状態を確認したあと,チャップマンフラスコで想定した表面水率が ±0.2% を超えている場合にかぎり,表乾密度を測定するとのことでした。

さて,砕砂を使用する場合に何か疑問が湧きませんか?
氏変更 』 をご覧下さい!
JIS A 5005 が改正されて,砕砂のふるい分け試験は試料の調整方法が改訂されています。
▲験課によると,砕砂のふるい分け試験は JIS A 1102 で実施します。

細骨材のふるい分け試験を実施すると,ふるい目に粒が詰まりやすくなる寸法のふるいがでてきます。
これを放置して,試験の前後の試料の質量差が 1% を超えると再度試験をしなければならなくなりますから注意が必要です。

また,細骨材では 5㎜ふるいに留まる粒(5㎜オーバー)がある場合,粗骨材では 5㎜ふるいを通過する粒(5㎜アンダー)がある場合には,試料の再調整が必要となるますので,これまた注意が必要です。

砕石を使用する場合,砕石1505は 5㎜ふるいでふるって試験練り用としますが,砕石2010について同様で,この作業を怠って試料再調整となる生コン会社がありますのでまたまた,注意が必要です。

天然砂と砕砂や砕石2010と1505等,骨材を混合して使用する場合,細骨材と粗骨材のそれぞれの混合比率は,ふるい分け試験結果から決定します。

この混合比率は,生コン打設の都度,事前に工場でふるい分け試験を行って適正な比率にしなければなりません。

さらに, 5㎜アンダーと 5㎜オーバーについても補正しなければなりません。
この補正は,過大粒・過小粒の補正と呼ばれています。
操作盤の機種によって,操作盤の演算機能で対応できるものがあります。

生コン会社の大半は,この過大粒・過小粒の補正を行っていませんが,これは “かさ容積法” という配合設計方法を採用しているためです。

2. 配合設計値の確認(目標スランプ・空気量,目標強度値の検証)

これは,書面の確認です。
目標スランプ・目標空気量は,生コン会社から打設現場までの運搬時間や,ポンプ圧送距離によって決定します
(特殊法人の仕様書にある程度規定されています)。
また,目標強度を決定するための変動係数の設計値も仕様書に定められています。
通常は,JISコン(工場がJISマークを表示している製品)で使用している変動係数と異なりますので,仕様書をよく読んで対応する必要があります。

3. フレッシュ状態の最適な単位水量・s/aの決定

ここから,試験練り作業を開始します。
ここでは,中心となる配合の単位水量と最適 s/aを決定します。
あらかじめ▲験課には,中心配合の暫定配合を提示しなければなりません。
また,この暫定配合としては,JISコンの配合は採用してくれません。

JIS標準配合の単位水量やs/aは,所定の品質(特にスランプ)を保証するためにかなり安全に設計されています。

暫定配合の提示では,あらかじめ試験練りをおこない安全に設計された部分を削減しておく必要があります。

民営化されたとはいえ▲験課は,程度はともかく “ガサコン” を好みます。
この暫定配合を決定する試験練りは,施工者の立会いで行って,生コンの状態を見せながら,▲験課立会試験の作戦を練るのが理想的です。

さて,▲験課立会試験では,目標スランプが得られる単位水量を決定し,練りあがった生コンの状態(スランプ値,形等)から中心配合の最適 s/a候補をさがします。

中心配合について最適な単位水量と s/aが確立すると,その単位水量を固定して中心配合の s/a候補値から ± 3% 生コンの状態を確認して最適 s/aを決定します。

JIS A 1101 によるスランプ試験は,スランプ値は 0.5㎝単位としています。
ところが最適 s/aをさがすことが目的であるため,スランプ値は 0.1㎝単位で測定します。

s/a候補値から ±3%をおこなうと,
大抵図のように右下がりの結果と
なります。

図をご覧下さい。
これは,s/a候補値を 41%として
います。
ところが,スランプが最大になる
s/aは39%付近です。

 200909013

民営化前は,この試験結果に基づき有無を言わさず,最適s/aを 39%としていましたが,民営化後は,曲線からだけでなく施工者の意見も聞きながら,妥当なs/aを決定しているようです。
あるいは,民営化の理由ではなく,担当者によるのかもしれませんが,以前の考え方は最適 s/a を ピンポイントと考えていたようですが,最近はある範囲に存在していると考えているように感じました。

4. C/W-σ 関係式,水セメント比の決定

最適s/aが決定すると,暫定値と差がない場合でも,再度中心配合を試験練りして,再現したフレッシュコンクリートの性状が所定の品質にあるか確認します。

この再現試験で,フレッシュ性状が所定の品質であると,供試体を採取します。
なお,この再現試験からスランプは,JIS A 1101に従って 0.5㎝単位で報告します。

次にC/W-σ 関係式を作成するために水セメント比を ±5%とします。
このとき,フレッシュコンクリートの品質を一定にする(スランプを合わす)ために,中心配合の粗骨材量はそのままスライドして使用します。
一般に生コン工場は,施工者・運搬距離・季節等の影響下でも所定強度を確保できるよう安全を見込んで配合設計を行います。
このため,目標より高い圧縮強度が得られた場合,それほど神経質になりませんが,そうは問屋がおろしません。

目標強度(配合強度)に対して 10%を超える場合は,C/W-σ 関係式から適正な水セメント比に変更しなければなりません。

強度はともかくとして,最適 s/a や単位水量をスムーズに決定するためには,準備している細骨材と粗骨材を如何に均質にしておくかが重要となります。

配合決定のための試験練り手順を纏めると以下のフローとなります。

      200909012

実際の出荷を考えるとき,生コンの配合設計は以下の理由で,JISコン のように過剰な安全を見込んでいるほうが合理的であると思います。
骨材は分離しやすい(1m程度の高さから落下するだけでも分離すると言われている)。
ゆえにサイロやストックヤードで保管された骨材を均質に保つことは不可能。
標準配合は,必ず所定の品質が得られるのではなく,所定品質が得られやすい配合。

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000875

 

 

 『健忘』を払拭するために,今回も !? 力を込めました。
 多少偏見が加わっていますが,
              何かの参考になれば幸いです。
              by ベトン・ボンド

 

     Unicef

     

     Kataru2

     Kataru2

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