『 終夏 』
お盆を過ぎると暑さは弱まるといわれていますが,今年はまさにその通りで夏が終わろうとしています。
盆休みが明けて,朝晩が涼しくなってきたことやセミの声が遠くに感じてきたことから夏の終わりを感じます。
日本は,春夏秋冬とすべての季節を味わうことができます。
いずれの季節も始まりと終わりがありますが,ボンドは “夏の終わり” が最も嫌いです。
なぜなら草木が急速に減退し,セミ等に代表される賑やかな虫達が息を潜めることから, “宴の終焉” あるいは, “祭りのあと” のようなさびしくて虚しい気分にさせられるからです。
関西では春と秋が短いために,夏と冬の2つしか季節がないように思えるときさえもあります。
晩夏残照(フォト蔵)
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さて,1ヶ月ほど前の 7月20日のことですが,JIS 表示認証の根幹となる規格のひとつ である
『 JIS Q 1001 適合性評価-日本工業規格への適合性の認証-一般認証指針 』 が改正されました。
この JIS Q1001 は,現行の JIS 制度が始まる直前の平成17年8月20日に制定されました。
旧JIS制度は,製品規格としての JIS規格はあるものの 「JISマーク表示制度のない工業製品」 (JISマーク表示したくてもできない製品)が指定品目として規定されていました。
現行のJISは,指定品目が解消され,製品規格のある工業製品は,JIS認証取得の審査を受けることと,登録認証機関との契約に基づいて JISマークを表示できるようになりました。
従って,現行JIS制度への移行に伴い,指定品目毎に存在した 『個別審査事項』 は廃止となりました。
ところが,生コンやコンクリート二次製品は,住居や社会資本整備などに使用され,ヒトの生命にかかわる重要な材料との位置付けから,個別審査事項(レディーミクストコンクリートとプレキャストコンクリート)が JIS化されました。
JIS表示認証工場,そして恐らくは登録認証機関にとっても,個別審査事項が JIS化されているほうが便利です。
なぜなら,これらの規格は JIS工場として何をしなければならないかを具体的に定めているからです。
逆の例ですが,家屋のプロパンガス設置場所などに使用される 「建築コンクリート用ブロック」 は,現行の制度では生コンでいう JIS Q 1011 に相当する規格が存在しません。
たとえば,生コンの場合,JIS Q 1011 の製造工程の管理で細骨材の表面水率の測定頻度は,2回以上/日と規定されています。
一方,分野別認証指針が存在しない場合,製品の管理・原材料の管理・製造工程の管理等の管理項目や方法等について,申請工場が考えなければなりません。
これは大変大変困難な作業です。
それでは,建築コンクリート用ブロックの JISを取得している企業は
どのようにしているかというと,かつての個別審査事項に準拠して
社内規格を編成しています。
現在,分野別認証指針は,生コン,プレキャストコンクリート製品及び鉄鋼製品第一部の3つしかありません。
JISマーク認証 適合性評価―日本工業規格への適合性の認証―
JIS Q 1001 :2009 一般認証指針
JIS Q 1011 :2009 分野別認証指針(レディーミクストコンクリート)
JIS Q 1012 :2009 分野別認証指針(プレキャストコンクリート製品)
JIS Q 1013 :2005 分野別認証指針(鉄鋼製品第1部)
少し回り道をしました。
次の理由から,JIS Q 1001 の改正によって,「社内規格」 を改訂する必要はありません。
● 表現の修正や文章の一部追加などで軽微なこと
● 生コンの認証指針は JIS Q 1011 によること
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生コン出荷の激しい減少のダメージを受けたためか,最近このコーナーが業界再建と共に信頼回復への想いのあまり,精神論的なタッチになりがちではないかと心配しています。
そのあたりを何とか解消しようとしたために,纏まりの悪い文章に仕上がってしまいました。
次回は,『 民営化 』 (7月30日)でお約束していた,旧D公団が民営化した N社の「試験練り」についてお話ししたいと考えています。
そのあとは,社内規格の編成の仕方について,自由気ままにウンチクを述べる予定です。
残暑や季節の変わり目ですからお体を大切に。
そして,お互いインフルエンザの感染に注意しましょう!
by ベトン・ボンド