『 残渣 』
ボンド,ベトン・ボンド。今週も,JIS A 5308 と関連規格のJIS改正についてです。
今週より, JIS A 5308 : 2009 のお話に入ります。
恐らく皆様がこの内容を目にする頃,JIS A 5308 と JIS A 5005 の改正官報及び規格書を入手されていると思っています。
そのため,改正説明会内容と新しい規格書で発見した事項を織り交ぜながらのお話になるかもしれませんが,お付き合い下さい。
レディーミクストコンクリートについては,スラッジ水と計量印字記録を2本柱として説明を展開するつもりです。
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第5回 JIS A 5308 : 2009 レディーミクストコンクリート
レディーミクストコンクリートの改正内容の概要は,以前 『 代打 』 で紹介しました。
今回の改正は,環境配慮と生コン製造の透明性確保がポイントになっているのではないかと思います。
環境配慮の面では,3つの事項が新たに規定されています。
① 再生骨材Hをコンクリートの原材料として規定
② スラッジ水の利用促進
③ 付着モルタルの適用範囲拡大
再生骨材H の市況は,製造業者がどこで,誰が取扱っているか等の情報が少ないことから,市場に十分流通している骨材とはいえないのではないでしょうか。(少なくともボンドは,聞いたことすらありません)
付着モルタルの使用は,JIS A 5308 :1998 から登場したと記憶しています。
現時点で付着モルタルを標準化している生コン工場は極僅かであるとのことですから,十分利用されている手法ではありません。
以上の状況から,今回は再生骨材H と付着モルタルは特に取り上げません。
スラッジ水は,生コン工場の責任で呼び強度 36 以下であれば購入者と協議することなく使用できるようになります。
スラッジ水を使用するためには,以下の 2つの方法があり,その特徴を表に示します。
a) 定(低)濃度スラッジ水法
b) 定スラッジ固形分率法
スラッジ水の濃度は,濃度を一定に保つ水槽があっても時々刻々変化します。
両者は,この濃度変動に対する対応が異なります。
定(低)濃度スラッジ水法は,その日に出荷するすべての生コン配合でスラッジ固形分率が上限値3.0%を超えないように回収したスラッジ水を薄めます。
ただし,練混ぜ水としてスラッジ水を 100%使用するため,スラッジ水濃度の変動によって固形分率が,上限値3.0%内で変化します。
定(低)濃度スラッジ水法を用いると,呼び強度によりスラッジ固形分率は異なります。
また,同じ呼び強度であっても,出荷日によってスラッジ固形分率は一定になりません。
一方,定スラッジ固形分率法は,すべての配合に対してスラッジ固形分率を一定にする
方法です。
練混ぜ水は,スラッジ水と回収水以外の水(地下水あるいは工業用水又は上水道水)を計量します。
このため,スラッジ水濃度の変動に対して,スラッジ水と回収水以外の水の割合を換えてスラッジ固形分率を確保します。
定スラッジ固形分率法は,固形分率 3.0%以下を確保するための管理目標値(例えば2.8%)を定めなければなりません。
ところが,この固形分率管理目標値を決定するのは,次の理由から大変困難です。
1) 生コンの需要は,各種工事の発注状況等により変動し,生コン製造量が一定にならない。
2) 稼働日毎にスラッジ水の収支が変動する。
つまり,生コン出荷量が少なかった日のあくる日に大量出荷になると,スラッジ水の在庫がなくなるといった事態が発生します。
また,スラッジ水濃度が薄くなると,100%スラッジ水を計量しても固形分率が確保できないことがあります。
購入側からすると, 「午前中の生コンはスラッジ水を使用しますが,午後からは地下水になります」 との説明をうけたら, 「ウチの現場は地下水だけを使ってよ」 と言いたくなるのではないでしょうか。
実は現在,最も普及している方法は,JIS A 5308 :2009 では認められない定(低)濃度スラッジ水法です。
この方法は,スラッジ固形分率こそ一定にできませんが,スラッジ水を効率よく使用できるといった特徴があります。
しかし,スラッジ水濃度を薄くする作業は水を足せばよいのですから比較的簡単ですが,濃度を濃くする作業は至難の技です。
近年,コンクリート構造物に発生する “ひびわれ” への関心が高くなってきています。
これは,構造物の耐久性が注目されてきていることや, 平成11年に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)で, 『RC造建築物について工事完了・引渡し後少なくとも2年間,住宅については10年間に亘り,瑕疵のあると思われる収縮ひび割れを生じさせてはならない』 とされたためと考えられます。
ひび割れ発生の観点では,スラッジ固形分率が高くなると,コンクリートの収縮が大きくなると言われています。
このような背景から,JIS A 5308 :2009 はスラッジ水の使用方法を定スラッジ固形分率法のみに限定したのではないかと考えられます。
次回は,定固形分率を導入するための準備についてお話します。
参照文書
【鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひびわれ制御設計・施工指針(案)・同解説】 2006年2月改訂 23頁
【民法638条】
【民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款】 16頁
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今回は,JIS工場が遵守しなければならない最後の 5つ目です。
それは,『社内規格』 です。
そうです。JIS工場は 『社内規格』 を遵守しなければなりません。
えっ? 社内規格なんか読んだことあれへん?
その行為は,JIS返上に発展しますぞ!!
祝JAPAN2連覇!!
by ベトン・ボンド
sourced Biglobe ニュース Thanks