« 2008年11月 | メイン | 2009年1月 »

2008年12月

2008年12月28日 (日)

『 再考 』

ボンド,ベトン・ボンド。
平成20年も残りあと僅かになりました。
振り返ってみると,今年は,私たち生コン業界にとって大変暗い年であったように思います。

公共事業は,年々縮小していくのは想定できましたが,民間工事の急速な冷え込みは想像できませんでした。
昨年は,姉歯設計事務所の耐震偽装などから建築基準法が改正され,建築構造物の申請が複雑となり,建築確認が認可されるまでに時間を要しました。
そのため,建築工事計画があるにもかかわらず工事が開始されないケースが増加しました。
今年にはいると,遅れていた建築確認が認可され,建築工事の開始にともなって生コンの需要は回復するだろうと予想されていました。
ところが,建築現場では,鋼材急騰の影響から鉄骨などの確保が課題となりました。
大型ショッピングセンター新築工事では,主流の鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)から,鉄筋コンクリート構造(RC造)に設計変更するケースが増加しました。
このため,改正建築基準の影響から建築確認の再申請が必要となり,工事開始はさらに遅れていく結果となりました。
さて,RC造に変更した建築確認が認可される頃になると,サブプライム問題という名の北風が,建築業界に吹き荒れるようになります。
この北風は,ディベロッパーのコートを剥ぎ取る結果になりました。
ディベロッパーは資金調達を外資系に頼りきっていたのです。
かくして,構造設計の変更の建築確認が認可されても,お金がないという状態となり,民間建築工事では時間が止まったままになっています。
おかげさまで,生コン需要は未曾有の低迷となりました。

前段が長~くなりましたが,取り巻く環境は非常に暗いということでした。
ところが,クリスマスを過ぎた年末に,私たちHiRACでは大変明るい太陽が現れました。
200812282 

 

 

 

 

Mr. ミッキさんのお話です。
老獪なミッキさんは,夏にコンクリート技士受験を決意されました。
ボンドはこのことを聞いた際,
「年の若い人達が資格取得に挑戦するよう鼓舞されたのかなぁ」と思っていました。
ミッキさんは,見事にコンクリート技士に合格しました。

HiRAC は,若い人の力で新しい未来を切り拓いていこうという思いを象徴しています。
“ 若い ” とは,年齢のことを指しているのではありません。
志を意味しているのです。
暗い世相の中,ミッキさんは若い力で,未来を一つ切り拓きました。
私たちは,この小さな焔を灯し続け,さらに大きくしなければなりません。
200812281

 

 

 

 

 

 

 それでは皆さん,良いお年を !!
         by ベトン・ボンド

2008年12月23日 (火)

『 防御 』

ボンド,ベトン・ボンド。
今回はアカデミックなボンドです。
12月の第二週から,経済産業局による新JIS生コン工場への立入検査が開始されました。
現在,大阪府下の生コン4社に対して立入検査が実施されています。
また,登録認証機関のJISサーベイランスも始まっています。

ある生コン会社 “V社” のサーベイランスのお話です。
サーベイランス件数の少ないため,ポイントをお伝えすることはできませんが,JISサーベイランスは,移行審査に比べて,統括的事項を重要視されているように思われます。
応対者の受け取り方にもよりますが,V社の品質管理責任者によると,やや辛らつな質問が多かったとのことでした。

・Q1 社員教育計画に社内規格勉強会が含まれていませんが,従業員は社内規格を,隅々
まで把握しているのですか?
・Q2 現場から加水を要請された場合,運転手は品質管理責任者に報告し,折衝を依頼する
と『社内規格』に規定しています。
このような事態になった場合,加水してくれなければ生コンを買わないと現場から言われ
たら,品質管理責任者としてどのような対応をしますか?
・Q3 品質管理責任者は,各組織間の有機的連携をとる必要がありますが,どのようにして
いますか?
・Q4 社員教育の有効性評価はどのように実施していますか?
・Q5 出荷承認を行った証拠はありますか?

この審査官は,あるセメントメーカー直系生コンのOBであるらしいと伺っています。
さて,HiRAC の皆さん。
このような質問を受けたらどのように答えますか?

これらの質問のうち,Q5は優れた質問です。
経済産業局が認定していたJISと登録認証機関が認証するJISは,制度自身が異なります。
(工場認定から製品認証になりました!)
製品認証である現行制度では,品質管理責任者の職務のひとつでもある出荷の承認は,その根幹となるため,Q5は重要な質問です。

品質管理責任者の出荷承認については,IQCブロック会議等の新JIS制度講習会で繰り返し説明された項目です。
言葉からは,品質管理責任者は,製品を出荷する都度承認しなければならないかのように受け取れます。

しかし,各講習会では,次のような主旨の説明であったと記憶しています。

通常の場合(製品に異常がない場合),出荷承認はJIS工場では組織的に行っている。
一方,異常が発覚したとき(生コン製造では,目視スランプが軟らかすぎる等),それらを
当事者だけで(生コン工場の場合,製造係と出荷係)“かまわないから出荷していしまえ”
として処理しないようなシステム(異常が発覚した場合,品質管理責任者に報告して指示
を仰ぐ等)を構築しなければならない。
品質管理責任者も,製品出荷に至る管理記録には目を通しておく必要がある。

このように記述すると,出荷承認の証拠は,関連する帳票類を確認することとなりますから,複数の管理データ類に品質管理責任者が検印しているかどうかということになります。

管理記録類  : 製造日誌,工程管理記録,製品管理記録,
          レディーミクストコンクリート納入書綴り等

この出荷承認については,経済産業局も興味を持っており,同局の立入検査でもヒヤリングされる可能性が高いとも言われています。
九州地方の生コン工場で実施された立入検査では,この出荷承認に関する質疑に対して,品質管理責任者の返答が曖昧であったため大問題になったとの噂も聞きます。

もう一度,品質管理責任者の職務について,JIS認証工場は,専門の書籍等をよく学習しておく必要があります。
参考 : 日本規格協会発行 力量のあるJISマーク品質管理責任者の実務 事例と解説

プロジェクトZ,プロジェクトM,レコンキスタ等は,攻撃です。
一方,JIS統括的事項は,防御(ディフェンス)です。

バランスの取れた,攻撃と防御ができるよう一層の訓練が必要です。

20081223 

 

 

  いよいよ12月も後僅かです。
  皆さん,ちょっと早いですが
  メリークリスマス!!
          by ベトン・ボンド

2008年12月16日 (火)

『 代打 』

まいど! 今日は代打やで! ロン毛のペルー・ボンドや。
先週木曜日の住友大阪生コン会第5回技術報告会,そりゃーすごかったでぇ。
藤野課長の声,よぉー通った。大きな声やったわ。

発表は,全国の住友大阪セメントの生コン会社の人がするンやけど,全部で17件やったゎ。
最後に大学の偉いセンセが発表の評価しやはった。
そこで,HiRACの発表は 『 夢のある未知への研究 』 やと褒めてくれはったんや。

そうや! この業界に足れへんのは 『 夢 』 と 『 希望 』 や。
建材試験センターの プロジェクトM(100N) もなんとかなりそうやでぇ。
これからも 『 夢 』 っちゅう旗を大きく振っていくんや。
まぁ,観といてや。

ちょっとちょっと。これは,ベトン・ボンドのコーナーですよ。
こんにちは。改めまして,ベトン・ボンドです。
先週お約束したとおり,今回は,JIS A 5308 の改正内容を紹介します。

               
  ■ JIS A 5308:改正案 レディーミクストコンクリート  
  ・ 改正主旨  
  今回の改正は,昭和28年11月に制定されて以来11回目の改正で,環境問題に配慮した以下の項目が規定されています。  
  ① 再生骨材Hをコンクリート用骨材として規定  
  ② スラッジ水の利用促進 (呼び強度36以下について購入者と協議することなく使用可)  
  ③ 付着モルタルの適用範囲拡大  
  ・ 配合計画書  
  現在の配合報告書は,納入に先立って提出していることから,名称が配合計画書に変更されます。  
  ・ レディーミクストコンクリート納入書  
  日本国でレディーミクストコンクリートは,半製品であるにもかかわらずJISマークを表示して出荷します。  
  一方,アメリカ合衆国のコンクリート製造規格ASTMには,“ バッチチケット ” という様式があります。  
  これは,練混ぜ時刻・セメント種類・各単位量・計量値を記載した用紙で,アジテータ車のドライバーが現場に持っていき,受取サインを交わして現場と工場で保管しています。  
  今回の改正では,このシステムを導入し,納入書に単位量を記載するよう改正されます。  
  なお,このシステム導入には,各社の出荷管理システムやプログラム等の更新が必須となるため,納入書に単位量の記載は,平成22年4月1日から開始となります。  
  ・計量記録  
  平成22年4月1日以降は,購入者から要求がある場合,レディーミクストコンクリ-ト納入後に,バッチごとの計量記録及びこれから算出した単位量の提出が必要になります。  
  計量記録とは,各材料の計量値を記録したもので,読取記録(ヒトが計量値を読み取って記録したもの)と計量印字記録(機械による自動記録)があります。  
  ・砕石,砕砂  
  JIS A 5005 コンクリート用砕石・砕砂は,JIS A 5308の改正と同じ日に改正が予定されています。  
  この改正は,砕石の粒度区分が増加(5号,6号砕石も使用可能となります)し,粒形判定実積率や微粒分量の基準値が変更となります。  
  ・スラッジ水の管理方法  
  スラッジ水は,固形分率3%以下であれば,練混ぜ水として使用できます。  
  従来,スラッジ水の使用方法は,定スラッジ濃度法と定スラッジ固形分率法の2種類があります。  
  今回の改正では,定スラッジ固形分率法による使用のみとなります。  
  ・官報公示  
  平成21年3月20日に官報公示される予定です。  
  なお,改正への対応は,官報公示後6ケ月程度の猶予期間が設定される模様です。  
   
  ■ JIS Q 1011:改正案 レディーミクストコンクリート分野別認証指針  
  ・初回製品試験  
  塩化物含有量試験は,サンプルを工場に運搬せず,荷卸し地点で実施する事になります。  
  ・製品の管理  
  ① 配合  
  スラッジ水を用いる場合には,濃度管理に基づく目標固形分率の決定根拠となる資料を備えることが追加になります。  
  ② 報告  
  5年間,計量記録を保管が必要になります〔平成22年4月1日より適用〕。  
  ・原材料の管理  
  購入者から指定があるものという条件付きで,JISのない混和材量が使用できるようになります。  
  ・製造工程の管理  
  ① 配合  
  粗骨材の粗粒率又は実積率の測定頻度が,1回以上/日となります。  
  スラッジ固形分率及びスラッジ水の濃度に関する管理が追加になります  
  ② 材料計量  
  計量値及び単位量の記録〔平成22年4月1日より適用〕管理が追加になります。  
  ・設備の管理  
  以下の項目が追加になります。  
  ① 製造設備  
  c) プレウエッチング設備〔人口軽量骨材及び再生骨材Hに適用〕  
  e) バッチングプラント  
     3) 計量印字記録装置(使用している場合)〔平成22年4月1日より適用〕  
  ② 検査設備  
  c) スラッジ水の濃度測定器具又は装置  
               

それにしても,生コンのJISは,ガチガチですね。
まるで品質クレームが発生する余裕もスキもないように思います。

さて,先日行われた改正説明会で,印象に残る説明が一つありました。
通常,JISは工業標準化法第12条が適用されますが,JIS A 5308 は,工業標準化法第11条が適用される特別な規格であると説明をうけました。
第11条が適用されるのは,生コンは工場数が多いことと,国民の安全につながる品物と位置づけられていて,国が調査会に委託して基準を決定する特別な規格に該当するとのことでした。

私たちは,これを受けて,製造・出荷するレディーミクストコンクリートに自信と誇りを持たなければなりません。

Ki_0164

 

 

 

       by ベトン・ボンド

 

おいおい! ほんまにオチはないんかいな。
             また,どっかで会いまひょ! ほな,サイナラ。
                                by ペルー・ボンド

2008年12月11日 (木)

技術報告会,藤野技術課長が大きな声で発表!!!

住友大阪生コン会第5回技術報告会が,本日(2008年12月11日),東京で開催されました。 

20081211110922

 

 

 

 

 

 藤野浩行技術課長(兵庫大阪)右側
 太田昇さん(京都住技会)
 
 

 

早朝の新幹線で東京に向かった,藤野浩行技術課長は,午後から3番目の発表となりました。
『未知への挑戦-コンクリートカヌー大会参戦-』と題した内容は,昨年参加した土木学会関西支部記念行事のコンクリートカヌー大会への参加をもとに,私たちの活動を紹介したものです。

発表のあと,緊張をときほぐすように,廊下で天井に向かってタバコの煙をふかしていました。

比較的年配の方が多い今回の発表者のなかで,大きな声で発表した藤野課長は若い力を誇示できたと思います。

大阪や兵庫で応援する仲間の期待に応えてくれた藤野課長は,昨年発表した堺臨海の小川英樹技術課長ならびにベトンボンドさんとともに,明日プロジェクトM 「Beyond the 80」 100N超えを目指し,埼玉にある審査機関に打合せに出向きます。

2008年12月 7日 (日)

『 金星 』

ボンド,ベトン・ボンド。
先週の金曜日(12月5日),JIS A 5308 レディーミクストコンクリートの改正説明会が,大阪商工会議所で実施されました。
このため,今回はこの概要を取り上げようと思っていましたが,急遽,話題をボクシングにします。

ボンドは,ボクシングが好きです(もちろん,観戦のほうです)。
ボクシングは,体重制限のもと,相手と殴りあう(脳震盪を起こさせる)という大変過酷なスポーツです。

12月7日(日)にラスベガスでドリームマッチが行われました。
前人未到の6階級制覇を果したオスカー・デ・ラ・ホーヤと,アジアの大砲でサウスポーのマニー・パッキャオが対決しました。
この試合は,ノンタイトル戦ですが,両者の体格差があり,デ・ラ・ホーヤは階級を下げ(体重を下げる),パッキャオは階級をあげて(体重を増加する)行われました。

デ・ラ・ホーヤは,バルセルナオリンピックで,金メダルを獲得するなど,アマチュア時代から優れた戦績を残していて,“ゴールデンボーイ”と呼ばれています。
一方,パッキャオは,フィリピンのみならずアジアの英雄です。
これまで東洋人は,3階級制覇が不可能といわれていましたが,パッキャオはこれを覆して4階級制覇を果した選手です。

BIGLOBE百科事典( オスカー・デ・ラ・ホーヤマニー・パッキャオ

この両者の対決は,キャリアや体格差おそらくは人気もから,デ・ラ・ホーヤが有利との予測がありました。
不利と予想されたパッキャオは,デ・ラ・ホーヤに勝てば大金星です。
ボンドは,デ・ラ・ホーヤーが試合する際は,大抵,彼を応援してきましたが,今回はパッキャオを応援しました。
彼が同じ東洋人であることと何より,パッキャオが大変不利に思われたからです。

1ラウンドのゴングがなる前,両者がリング中央で対峙します。
パッキャオは,顔一つ分,デ・ラ・ホーヤーより小さく,リーチ(腕の長さ)の差もかなり大きく思われました。
数々の強豪をKOしてきたデ・ラ・ホーヤです。
体格差が大変有利に働き,パッキャオがリングに沈むのも時間の問題かな? と思われました。

開始のゴングが鳴り響きます。
右のジャブを繰り出すパッキャオですが,デ・ラ・ホーヤとの距離があり届かないかのように感じます。
一方のデ・ラ・ホーヤですが,いつもに比べて足が動きません。
このため,パッキャオの左ストレートがデ・ラ・ホーヤの顔面を幾度か捉えます。

ラウンドが進行する度に,デ・ラ・ホーヤの表情が変化していきます。
デ・ラ・ホーヤは,攻撃もアグレッシブで多彩であるうえ,パンチをかわす等のディフェンスも旨いといわれています。
しかし,パッキャオの左ストレートと右フックをかわすことができません。

7ラウンドを終えてコーナーに座るデラホーヤは,左目まぶたが腫れ上がっています。
この頃になると,デ・ラ・ホーヤがパッキャオより小さく見えます。

運命の8ラウンドが開始されます。
デ・ラ・ホーヤは中盤に意地を見せ,パンチを繰り出しますが,パッキャオには効果がありません。
デ・ラ・ホーヤはコーナに押し込まれ,パッキャオの猛攻にさらされます。
デ・ラ・ホーヤは,リングに這い蹲ることはありませんでしたが,9ラウンドを戦う力は残っていませんでした。
アジアの大砲が世界の大砲に変わった瞬間でした。
zoome(オスカー・デラ・ホーヤ vs マニー・パッキャオ Round 7~8

今,生コン業界は氷河期にあるとも言われていますが,ステップアップの前触れと捕らえ,跳躍するための準備をする時期ではないでしょうか。

ビヨンド80,アンダー600,レコンキスタ,17025・・・。 

トレーニングと試練が続きます。
                               by ベトン・ボンドPhoto

Be ambitious!

2008年12月 1日 (月)

年末年始の輸送等に関する安全総点検

      平成20年度 年末年始の輸送等に関する安全総点検が実施されます!!
                ~事故防止等に関する安全点検及びテロ対策の再点検~  

Photo

 大量の輸送需要が発生し、輸送機関等に人流・物流が
 集中する年末年始は、ひとたび事故等が発生した場合
 には大きな被害となることが予想されます。
 このため、国土交通省では、 陸・海・空 にわたる輸送
 機関等について、自主点検等を通じ、安全性の向上を
 図るため、「年末年始の輸送等に関する安全総点検」を
 実施します。

 期 間  平成20年12月10日~平成21年1月10日

 実施内容
 陸・海・空の輸送等について、施設等の点検整備状況、
 運行(航)管理の実施状況、関係法令の遵守状況等を
 点検します。

     Unicef

     

     Kataru2

     Kataru2

コピーライト

  • Copyright 2003-2015 Group HiRAC All rights reserved