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2008年8月

2008年8月31日 (日)

『 晩夏 』

ボンド,ベトン・ボンド。
今週は,久々,M社について取り上げます。
M社は,もう一つ別法人の生コン会社(以下,Z社と称します)を経営していることは以前にもお伝えしました。

現在,従業員の大半が去ったM社はもちろんのこと,Z社も出荷は停止しています。
巷に流れる噂さの紹介です。
Z社は加盟協組がプラントを買い上げ,シェアを傘下工場で分割したあと,プラント解体するといわれています。
一方のM社は,供給エリアの一つである湘○海岸に生コン工場が存在しないこと等,立地条件が整っているため,一旦加盟協組がプラントを買い上げ,運営を希望する先に売却するといわれています。

なお,M社とZ社は,違うエリアの協同組合にそれぞれ加盟しています。
両社は,それぞれで使用しいていたトラックアジテーターの色調は同じでしたが,それ以外に互いの交流はあまりなかったと聞いています。
生コン工場の雇用は,生コンの運搬部門を別会社で契約する形態と,生コンの製造・運搬をすべて従業員で運営する形態があります。
M社とZ社は,後者の雇用形態とのことですから,大所帯の職場であったと思われます。

一般に,生コン会社の運転手は,若手の参入が寂しく,老練なテクニックをもつベテラン勢が沢山在籍している会社が多く存在します。
もし,M社やZ社がこれに該当しているならば,あと数年,あるいは数ヶ月で退職を迎える方が多数いたかもしれません。
溶融スラグは,一瞬の出来事でしたが,経営者は代々続いた会社を失い,従業員は職場を失います。
どの方も,家族過ごす時間と同程度,職場で時間を過ごしています。
職場を大事にしましょう。

違法建築物に関する最新の動向は以下を参考にしてください。

JIS規格不適合建築物工事再開、大臣認定で適正化へ
RBA日本不動産野球連盟ホームページ
六会コンクリート物件、条件付きで基準に適合化へ(読売オンラインニュース)

日が暮れるのが,多少早くなりました。
夏休みは今日で終わりです。
涼しいつむじ風に秋を感じます。
                                                           by ベトン・ボンド

2008年8月27日 (水)

シャトルコンベア建屋解体

昨日,2基のコルゲートサイロが撤去されました。

今日は引き続き,骨材貯蔵部分の解体です。

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 昨日に続き,コルゲートサイロの解体

 

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 3基を撤去

 

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 4基を撤去

 

 

 

 

 

 

 

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 受入シャトル建屋解体

 

 

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 本日作業終了

2008年8月26日 (火)

千代田解体作業開始

時々,小雨の降る8月26日。

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いよいよ,千代田の解体作業が開始しました。

まずは,コルゲートサイロ(骨材貯蔵設備)からです。

10時15分,作業開始です。 

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2008年8月24日 (日)

『 円運動 』

ボンド,ベトン・ボンド。
“ 暑さ寒さは彼岸まで ” といいますが,お盆を過ぎた昨今は,朝晩が涼しくなってきました。
今年は,灼熱の太陽が降り注ぎ,例年の夏より,暑く感じたのは気のせいでしょうか。
中学生の頃,日本は温帯気候に属すると習った記憶があるのですが,最近の流行語 “ 地球温暖化 ” のせいか,今や日本は亜熱帯になったのではないかと思います。

それにしても,元気なのは子供たちです。
近所の子供たちは,あの暑い最中でも,外をかけめぐりセミ取り等をして夏を満喫していました。
今では,そのセミの声が段々カボソクなってきていて,夏が去ろうとしているの肌で感じます。
この季節は,お祭りやパーティが終焉する直前のようで,何かもの悲しさも感じます。

さて,これからは “ 理科 ” の時間です。
ご存知のとおり,私たちの暮らしている “ 地球 ” は太陽の周りを廻っています。
夏とは,地球が太陽に最も近くなる時期です(もちろん南半球と北半球は逆になりますが)。
反対に冬は,地球が太陽から最も遠くなる時期です。
このおかけで,私たちは季節を,さらに時間という概念を感じる事が出来ます。
時間は,総理大臣から赤子に至るまで,平等に与えられています。
ただし,時間の流れは,同じですが使い方によって早く感じたり,遅く感じたりします。

皆さん,観覧車に乗った事はありますよね。
観覧車は,円を縦に配置した構造です。
このため,円運動を行ったときの最高位と最低位は,点であり回転速度が遅くても,最高位で周囲の風景を拝む事ができるのは,一瞬しかありません。

地球の公転についても同様であり,公転が連続していて止まることがないため,太陽に最も近づく夏至や,最も離れる冬至も一瞬でしかありません。
来年も同様に,夏は巡ってきますが,今年と同じ夏は二度と巡ってきません。
“ 一期一会 ” という言葉も,今の時間は一瞬しかなく,出会う人との縁を大事にしなさいとの意味があります。   フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

このようなことを考えていると,ボンドは高校生の頃に聴いた,ある日の全校朝礼を思い出します。
当時, “ 平田 ” という名の生活指導を担当していた先生の朝礼のお話です。
特に,お世話になったわけでもありませんが,その日のお話は記憶に残っています。

初老の先生いわく,
『地球が太陽の廻りを一周すると一年が経過する。
果たして,私はあと何回この夏を経験できるのかな』
といった内容でした。
当時16歳だったボンドですが,今もその風景が目に焼きつき,言葉が耳に残っています。
若い人も,年を召した方も,あと何年この夏を経験できるのでしょうか。
おたがいに,時間のすごし方を考えたいものです。

さて,ボンドの子供は皆,8月生まれですが,ふたりとも誕生日を迎えました。
ひとつのケーキでお祝いをしました。

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Happy Birthday !! 

 

少しセンチメンタルな ベトン・ボンドでした。

最後は,笑顔で !!!

8月23日,千代田で撤去された2基のセメントサイロが,搬入されました。

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 レッカーによる荷卸し作業

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  サイロ置き場に2基 

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 置き場に横たわるセメントサイロ

 

 

チームワーク抜群の,山広運輸興業のプロ集団(職人集団)は,7時45分最後は笑顔で堺臨海を去っていきました。

 

2008年8月23日 (土)

さすが,プロ集団 !!!

千代田のセメントサイロが,撤去されました。

8月23日午前9時から開始された撤去作業は,予定通り16時に無事に終了しました。

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 撤去作業

 

 

 

撤去作業にあたった,大阪狭山市にある山広運輸興業の力量はさすがプロフェッショナルといえるもので,その作業の迅速さと適確さには感心させられました。 

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グループから作業に参加したメンバーも,これらの作業から多くのものを習得したと思われます。 

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 Good JOB !!!

 

 

セメントサイロ撤去 

セメントサイロ積み込み 

2008年8月22日 (金)

中和装置の点検と管理の研修

堺臨海で,中和装置の点検と管理についての研修が,8月22日行われました。

堺臨海の工場は,堺第二SS(サービスステーション:工場外出荷設備)の敷地内にあります。
この敷地には,セメントの荷受け・出荷・設備のメンテナンスなどに関連する会社が共に活動をしています。
これらの会社は,定期的に話し合い,環境の保全について取り組んでいます。
堺臨海は,中和装置の管理について受け持っていますので,担当者の変更に伴い,操作方法の確認と管理の充実のために研修を行ったものです。

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 研修風景

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 センサーの点検・清掃

 

排水規制の根拠となる法律は,水質汚濁防止法です。
主な規制項目には,次のようなものがあります。
水素イオン濃度(pH : Potential of Hydrogen)
   アルカリとか酸性を表す値で,中性はpH7
   規制値 : 海域に排出の場合 pH 5.8~9.0   海域以外に排出される場合 pH 5.8~8.6
生物化学的酸素要求量(BOD : Biochemical Oxygen Demand)
   汚れの中の有機物を、酸化剤により、酸化分解する時に必要な酸素消費量(mg/l)
N‐ヘキサン抽出物質
   排水中の油分の含有量。含有量を調べる際、N‐ヘキサンで抽出して測定
浮遊物質量(SS : Suspended Solid)
   土の粒子など、水に溶けない物質の量
   水の濁り・光合成の阻害・腐敗臭の発生・魚類の死亡原因

2008年8月17日 (日)

『 雄叫 』

ボンド,ベトン・ボンド。
8月8日に北京オリンピックが開幕しました。
204カ国と参加国が過去最高となった今回のオリンピックですが,テレビでは日本人選手の活躍が昼夜報道されています。
例年通り,マスコミは競技開催前にメダル獲得予想数等で大騒ぎしています。
ボンドはいつも,この “大騒ぎ” が,競技に出場する選手にとって大きな重圧となり,返って萎縮してメダルが取れなくなるのではないかと思うことがあります。
一方,この手の重圧に負けてしまうよう選手は,元々メダルを取る資質がなかったのではとも思います。
いずれにしても,メダルを獲得してから多いに騒げばいいのではと思っています。

競技を終えた選手の “雄叫び” をあげる姿が,数多く報道されます。
各々の選手は,様々な事由により “雄叫び” を行います。
勝利の凱歌を表したもの,負けた悔しさを表したもの,競技内容に感動したものなど多岐に渡ります。
観戦する側から言うと,勝利の凱歌には誇りを感じますし,負けた場合には無念さを感じます。

さて,連覇で金メダルを2個獲得した,ある水泳選手は,一つめの金を獲得したときには, “ことば” を詰まらせていました。
また,冬季にはビニールハウスを設置した簡易室内プールで練習を重ね,銅メダル獲得に至った選手には,大変感動しました。

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SANSPO.com 

 

サッカーやバレーボールのようにチームで勝負する競技は,内容のある試合をしたり,メダルを獲得した場合,チームプレーの重要性をしみじみ感じる事ができます。
一方,水泳や柔道等といった個人競技の場合,競技中継だけではチームプレーの重要性がわかりにくいのですが,ヒーローインタビューを受ける選手の口からは,選手はもちろんのこと,その選手を支えてきたコーチ等のスタッフの努力の賜物であることがよく分かります。
個人競技の場合についても,選手を支えるスタッフのチーム力が非常に重要です。
また,先に例を挙げた“水泳”では,いわゆる 『泳ぎ方』 は古来から伝わる方法ですが,世界記録を創るためには,水の抵抗を少なくするための手足の動かし方等,研究する余地がまだあったことを痛感させられます。

私たちが手がける “生コン” も何十年来と製造方法に大幅な変更はありませんが,安定した品質をもつ生コンを造りこむためにも,まだまだ努力検討しなければならない項目があるように思います。
試験係,製造係,出荷係が互いに協力し,購入者から金メダルを頂き続けることができる生コンを造りこんでいけるような体制をつくる必要があります。
銅メダルを獲得したあの水泳選手のように,製造設備が整い人材が豊富な,メーカ直系生コンだけが,高品質の生コンを製造できるのではありません。
HiRACのみなさん,チーム力を強化して,金メダル生コンを継続して製造していきましょう!
       オリンピックに出場したすべて選手とそのスタッフに心から拍手を贈ります
                                by ベトン・ボンド

2008年8月10日 (日)

『 面子 』

ボンド,ベトン・ボンド。
今週もM社の動向からお伝えします。M社の従業員は,大半が自主退職し,恐らくは残務整理を行うだろう役割の方が僅かに在籍しているようです。
M社はツープラントで生コンを製造出荷していたようですが,その歴史は静かに幕を降ろそうとしています。

さて,私たちのおじいさんの代に起こった,太平洋戦争(大東亜戦争)の敗戦について考えてゆきたいと思います (ガチガチの話題ですいません )。
私たちは,この戦争について歴史の教科書で,“ 負けた ” ことを僅かに知っています。
また,“ お盆休み ”に時期には,“ 敗戦 ”をテーマにしたドラマや映画が放映されますから,戦争の悲惨さや敗戦の惨めさは,何となくわかります。

今回は,いつもの終戦記念ドラマにある,悲惨さや惨めさを国民が味わうに至った理由について考えてゆきたいと思います。
その答えは,“ 面子 ”であったと思われます。
はたして,誰の面子か? どのような面子か? 
興味のある方はお付き合い下さい。

その前に,次の事項について考えてみましょう。
① 昭和20年8月15日が終戦として適した日であったか?
② 何故,戦争に踏み切ったのか?

先ず,①番です。
この日まで,戦争を止めることができなかったことが残念でなりません。
ちなみに,主敵がアメリカであったこの戦争は,両国が太平洋に隔てられているため,海の戦いが主流となります。
また,海の戦争は,以前は船と船が争っていましたが,飛行機という武器が新たに主役となっていたため,お互いの船からは相手の姿を見ることなく戦うようになっていました。
日本海軍の機動部隊は,昭和19年6月19日に完全に壊滅しました。
この状況は,ボクシングにたとえると,10ラウンドで利き手拳が骨折したものと同様です(ちなみに,戦争はレフリーがいないため,レフリーストップがありません)。
つまり,実質の敗戦日は昭和19年6月19日なのです。

次に②番です。
現在,石油が高騰しています。この状態は,春先から継続していますが,例えば,自家用車を乗らないように心がけても,石油を全く使わないといった生活をする事は出来ません。
この状況は,当時も同じだった様子ですが,欧米列国は,対日石油輸出を禁止していました。
このため,石油資源を確保するために戦争に訴えざるを得なかったといわれています。
戦争をしなければならないように追い込まれたのは理解できますが,理解できないのは勝つための戦いをしたかという問題です。
アメリカ合衆国の資源や工業力の圧倒的な差は,以前にもこのコーナーで取り上げた事があります。
しかし,船や飛行機を次々と作ることができるアメリカも,それらを “運ぶ” 事が出来なければ “使う” ことができないのです。
例えば,容積6m3のミキサを保有していても,その能力に見合う数のアジテータ車がなければ,出荷する事が出来ません。
また,仮に容積6m3のミキサと,10tアジテータ車20台保有している大型生コンプラントに,容積1m3のミキサと,5tアジテータ車5台の小型ミキサの小型生コンプラントが同じ物件を追いかけても勝てるはずがありません。
ウエイト5階級上の相手と同じリングでボクシングをして,KOを狙っても勝てるはずがありません。
ここで,昭和19年6月19日以降の状況について少し説明しておきます。
同年の10月から,特攻隊が組織されます。日本の都市は度々空襲を受けるようになります。
20年4月には沖縄県が占領され,8月には世界で始めて,原子爆弾が投下された後ようやくギブアップします。

最初の答えに戻ります。面子は海軍のものです。
さて,どのような面子だったのか?
太平洋戦争の随分前の日露戦争は,日本海軍がバルチック艦隊を撃破して大勝利を得ました。
この結果,海軍の発言力や,政治力は極端に大きく膨れ上がります。
言葉は悪いですが,国家予算の分配に大きな発現力を持つようになっていきます。
宇宙戦艦にもなった,あのフネをご存知ですか?
そうです。戦艦大和です。当時の国家予算を大きく上回る建造費を費やして作られた船です。
大和が建造できたのも,海軍の発言力が大きかったからです。
ちなみに,大和は敵の船を一隻も沈めることなく,海上特攻の命令を受け,東シナ海の藻屑となりました。
この命令は,海軍首脳部が費やした建造費を鑑みて,敗戦した後に大和が海に浮かんでいては都合が悪いとの見解から発令されたという説があります。
海軍は,官僚的になり,アメリカ合衆国を仮想敵国にみたてて膨大な予算を確保し続けてきました。
そのアメリカが本当に敵になったとき,これまで予算を確保してきた関係から,面子上戦わざるを得なかったという説があり,利き手拳がつぶれた後も負けを認められなかったという説があります(開戦をしない,敗戦を認めると,これまで予算を確保してきたことに対して責任が追及されるという意)。

現在,私達はとりあえず,平和な日々を過ごしています。
ときに身近な職場を振り返ったとき,つまらない面子から組織的に誤った判断をしていないかよく考える必要があります。
戦死された多くの方々の冥福を静かに祈り,黙祷します。
                    
Mrボンド,一体,年齢はいくつなのか?
                                by ベトン・ボンド

2008年8月 8日 (金)

もうすぐ,お別れです。

盆明けの解体を前に,千代田では準備が行われています。

地域の皆さんには,今週に入り工事のお知らせをしました。

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出荷業務を停止してからは,野鳥たちが建屋でヒナをかえし,
今は,せみたちがプラントの壁で鳴いています。

来年の今頃は,このあたりはどんな風景になっているのでしょうか?

池のほとりから,虫の声が聞こえる頃には,景色がかわります。

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CHIYODA asked to be remembered to you.

もうすぐ,お別れです。

2008年8月 3日 (日)

『 爪跡 』

ボンド,ベトン・ボンド。
さて,恒例になりましたM社の動向からお伝えします。
M社は,さる 7月23日(水)全従業員に対して,自主退職を募った様子です(企業として終焉に向かっているようです)。
もうひとつの関係生コン会社の動向については,特に情報がありませんが,継続は困難であろうといわれています。

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生コン業界の視点から,M社問題を考察してみましょう。六会コンクリート
先ず,“ JIS取消処分 ” についてです。
一般にJIS工場にとって,“ 取消処分 ” ほど厳しい措置はありません。
この処分を受けた企業は,JISマークを表示できる権利を失います。

JISマークが表示された工業製品は数多く存在しますが,土木建築工事ではこのマークを取り分け重要視しています。
建築基準法では建築物に使用するコンクリートは,JISマーク表示製品でなければならないと規定していること等から,いかに重要視しているかがわかると思います。
すなわち,JISマーク表示は,生コンを出荷するために必要な必須アイテムなのです。
このJISマーク表示の権利が消失するわけですから,当然,消失した生コン会社の仕事は激減します(出荷量が縮小し,会社運営が崩壊します)。

ここで重要なことは,取消は,打設したコンクリートにポップアウトが発生したことが直接問題になった訳ではないことです。
取消原因は,規格(JIS A 5308)に規定していない骨材を使った生コンに JISマークを表示したことであり,そして,該当生コンの配合報告書に虚偽(偽装報告)が認められたことです。

この“偽装”は,食品業界を中心に流行している悲しい言葉であり,建物の構造設計分野でも騒がれています。

食品業界では,一部の企業が消費期限や産地を偽造して表示しました。
構造設計分野では,一部の設計事務所が構造計算を偽造して鉄筋の使用本数を減らしました。
これまでは,生コン業界以外の“遠い国のできごと”でしたが,今やわが身に火の粉が降りかかっています。

この“偽装”に至る経緯を考察しておく必要があります。
その多くが,“ 生きる ” そうせざるを得ないように追い込まれていったように思います(結果 “ 死んで ” いますが)。
会社運営には,“ 利益 ” をあげなければならないという宿命があります。
“ 弱肉強食 ” や “ 勝ち組・負け組 ”が流行しましたが,これは,“ 強いものは必ず勝ち残り,弱者は負け続けて勝つことがない ”という大変厳しい意味があります(ボンドは大嫌いな言葉です)。
しかしながら,この言葉が表す状況は,実際に起きています。
弱者は,まともに勝てないため,偽装をおこなってしまうのではないでしょうか。

会社の運営によらず,日常業務の中でも時折,度合いは異なりますが,道を外れるような選択を迫られることがあります。
その多くは,“ 時間がない ”,“ 人的余裕がない ”,“ 設備の能力不足 ” 等が重なって発生します。
HiRAC皆さんなら,そのときにどのような対応をおこないますか?
次のサイトにアクセスして,考えてみてください。技術倫理討論会

最後に大変残念な情報ですが,JISマークの表示認証の審査を行っている “ 登録認証機関 ” では,生コン会社の従業員からの内部告発が増加しているようです。
その告発内容は定かではありませんが,配合報告書の偽装 ( 未標準化骨材の使用 ) の割合がかなり高いとの事です。
燃料高騰や,コンクリート工事減少等から人員削減を強いられる生コン会社が多いため,告発はその腹いせかもしれません。

企業に不祥事は,その企業だけに留まらず,企業が属する業界全体に深い爪跡を刻みます。
一部あるいは,ごく一部が行った不正を,業界全体が同様な行為を行っているとした穿った見方が浸透します。
何れにしろ,残る真面目な企業が,一般の人々から失った信頼を回復しなければなりません。

 

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    谷が深ければ,山は高い
                                            -ベトン・ボンド-

     Unicef

     

     Kataru2

     Kataru2

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