2008年11月23日 (日)

『 迷走 』

ボンド,ベトン・ボンド。
先週のオタッキーボンドの続編です。
先週の最後に紹介した“ウルトラセブン”の話題です。
ウルトラマンシリーズは,昭和41年に放映が開始され,年号が平成に変わっても,新しいストーリーが放送されるといったロングセラーのヒーローです。

視聴率が最も高いのは,一番最初の“ウルトラマン”だそうですが,一番人気のあるウルトラマンは,“ウルトラセブン”であるといわれています。

ウルトラセブンは,他のウルトラマンのストーリーにも,登場する回数が最も多いこと等からも人気が高いことが分かります。
何故,セブンは人気があるのでしょうか?
それは,最もヒーローらしくないからです。
ウルトラマンは,完全無比のヒーローですが,セブンは苦悩し,ときに選択を間違えます。
セブンは,私たち人間の感性により近い存在なのです。

Bb200811162 そんなセブンの代表作は,第42話 “ ノンマルトの使者 ” です。
セブンは,侵略者から守るという行動指針に基づいて行動します(そのハズです)。

       
  海岸で休暇中のウルトラ警備隊アンヌ隊員に一人の少年が,  
  「あれをやめさせろ。やめさせないと大変なことになる。」と  
  海底開発基地センターの船上基地になっているシーホース号を指差して言う。  
  事情がよくわからないアンヌとダン(=ウルトラセブン)の目前で,シーホース号は突然  
  爆発する。  
  「事件を予告した」としてアンヌとダンは,その少年を捜すことにする。  
  その最中,マナベ参謀のもとに少年から一本の電話が・・・。  
  「海底はノンマルトのものだ!人間が,海底を侵略したら,ノンマルトは断固闘うよ」。  
  少年を捜しているダンは考える。  
  彼の故郷M78星雲では、地球人のことをノンマルトと呼んでいるからだ。  
  偶然海岸で少年(真市と名のる)を発見するアンヌ。  
  少年は訴える。  
  「ずっとずっと大昔にノンマルトは人間より前に地球に住んでいたが,人間から海に  
  追いやられてしまった。人間は自分たちこそ地球人だと思っているが,本当は侵略者だ」  
   
  そして怪獣が現れるが,警備隊が退治。  
  ほっとする警備隊のもとにまたもや少年から電話が。  
  「ウルトラ警備隊が退治したのは怪獣ガイロスである。  
  ノンマルトはこれから確保したイギリスの原子力潜水艦を使い,地上攻撃を開始する」  
   
  防衛隊員は,真市少年を追いかけるが,ノンマルトからのレーザー光線で倒される。  
  原潜により攻撃が始まり,阻止しようとホーク1号も攻撃するも逆にやられてしまう。  
  ダンはセブンに変身しようとするが,行く手を真市がふさぎ,  
  「ノンマルトがやられるから攻撃をやめろ」という。  
  怪獣ガイロスが再度登場したため,ダンは真市の目の前でウルトラセブンに変身する。  
   
  「真市君!僕は闘わなければいけないんだ」  
  ガイロスを倒すセブン。  
  一方原潜を攻撃する警備隊は,ノンマルトの海底都市らしきものを発見。  
  隊長キリヤマは  
  「宇宙人の侵略基地なら,ほっとけない。  
     我々人類より先に地球人がいたなんて・・・そんなばかな・・・やっぱり攻撃だ」  
  と考え都市を壊滅させる。  
  キリヤマは叫ぶ「これで海底も我々人間のものだ」。  
  帰ろうとするダンとアンヌの前に再び,真市が現れ  
  「ウルトラ警備隊のばか」と怒りに震え叫び,海に消えてゆく。  
   
  海辺で婦人が墓標で手を合わせている。  
  その墓標には「真市安らかに」と書かれていた。  
  真市は幽霊となり,ノンマルトの使者として地上に現われたのだ。  
  しかしノンマルトが本当に地球の原住民だったのか?  
  すべてが消滅してしまった今,それは永遠の謎となった・・・。  
       

この42話の要旨は以下のとおりです。
人間は,自分たちこそが地球人だと思っています。
しかし,実は地球の先住民であるノンマルトを,海底に追いやって地球を乗っ取った上に,今度はそのノンマルトを攻撃し壊滅させたという展開です。
ダン(セブン)は,もしそれが本当なら,自分はその侵略者(=人間)の手伝いをしていることになると悩みます。
これは,真実とも虚偽だともわからぬまま終幕を迎えるのです。

子供向けの番組としては,少し暗いうえに後味の悪い作品です。
常日ごろ,私たちもそれが “良い” と分かっていても行動できなかったり, “悪い” と分かっているにも拘らず行動してしまうことがあります。
つまり,頭で理解していても,体がなかなか動かないケースがあります。

たとえば,職場の雰囲気を変革しようという “おもい” を実現するには,大変な労力と時間が掛かります。
行動できないから,理解していないとは言い切れないのではないでしょうか。
行動できない別の要因があるのかもしれません(セブンの行動は,人間が大好きであったからです)。
コミュニケーションこそ,その解決方法となるのではないでしょうか。

20081123      

      冬生まれのボンドは,夏より冬が好きです。

      by ベトン・ボンド

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