2008年8月10日 (日)

『 面子 』

ボンド,ベトン・ボンド。
今週もM社の動向からお伝えします。M社の従業員は,大半が自主退職し,恐らくは残務整理を行うだろう役割の方が僅かに在籍しているようです。
M社はツープラントで生コンを製造出荷していたようですが,その歴史は静かに幕を降ろそうとしています。

さて,私たちのおじいさんの代に起こった,太平洋戦争(大東亜戦争)の敗戦について考えてゆきたいと思います (ガチガチの話題ですいません )。
私たちは,この戦争について歴史の教科書で,“ 負けた ” ことを僅かに知っています。
また,“ お盆休み ”に時期には,“ 敗戦 ”をテーマにしたドラマや映画が放映されますから,戦争の悲惨さや敗戦の惨めさは,何となくわかります。

今回は,いつもの終戦記念ドラマにある,悲惨さや惨めさを国民が味わうに至った理由について考えてゆきたいと思います。
その答えは,“ 面子 ”であったと思われます。
はたして,誰の面子か? どのような面子か? 
興味のある方はお付き合い下さい。

その前に,次の事項について考えてみましょう。
① 昭和20年8月15日が終戦として適した日であったか?
② 何故,戦争に踏み切ったのか?

先ず,①番です。
この日まで,戦争を止めることができなかったことが残念でなりません。
ちなみに,主敵がアメリカであったこの戦争は,両国が太平洋に隔てられているため,海の戦いが主流となります。
また,海の戦争は,以前は船と船が争っていましたが,飛行機という武器が新たに主役となっていたため,お互いの船からは相手の姿を見ることなく戦うようになっていました。
日本海軍の機動部隊は,昭和19年6月19日に完全に壊滅しました。
この状況は,ボクシングにたとえると,10ラウンドで利き手拳が骨折したものと同様です(ちなみに,戦争はレフリーがいないため,レフリーストップがありません)。
つまり,実質の敗戦日は昭和19年6月19日なのです。

次に②番です。
現在,石油が高騰しています。この状態は,春先から継続していますが,例えば,自家用車を乗らないように心がけても,石油を全く使わないといった生活をする事は出来ません。
この状況は,当時も同じだった様子ですが,欧米列国は,対日石油輸出を禁止していました。
このため,石油資源を確保するために戦争に訴えざるを得なかったといわれています。
戦争をしなければならないように追い込まれたのは理解できますが,理解できないのは勝つための戦いをしたかという問題です。
アメリカ合衆国の資源や工業力の圧倒的な差は,以前にもこのコーナーで取り上げた事があります。
しかし,船や飛行機を次々と作ることができるアメリカも,それらを “運ぶ” 事が出来なければ “使う” ことができないのです。
例えば,容積6m3のミキサを保有していても,その能力に見合う数のアジテータ車がなければ,出荷する事が出来ません。
また,仮に容積6m3のミキサと,10tアジテータ車20台保有している大型生コンプラントに,容積1m3のミキサと,5tアジテータ車5台の小型ミキサの小型生コンプラントが同じ物件を追いかけても勝てるはずがありません。
ウエイト5階級上の相手と同じリングでボクシングをして,KOを狙っても勝てるはずがありません。
ここで,昭和19年6月19日以降の状況について少し説明しておきます。
同年の10月から,特攻隊が組織されます。日本の都市は度々空襲を受けるようになります。
20年4月には沖縄県が占領され,8月には世界で始めて,原子爆弾が投下された後ようやくギブアップします。

最初の答えに戻ります。面子は海軍のものです。
さて,どのような面子だったのか?
太平洋戦争の随分前の日露戦争は,日本海軍がバルチック艦隊を撃破して大勝利を得ました。
この結果,海軍の発言力や,政治力は極端に大きく膨れ上がります。
言葉は悪いですが,国家予算の分配に大きな発現力を持つようになっていきます。
宇宙戦艦にもなった,あのフネをご存知ですか?
そうです。戦艦大和です。当時の国家予算を大きく上回る建造費を費やして作られた船です。
大和が建造できたのも,海軍の発言力が大きかったからです。
ちなみに,大和は敵の船を一隻も沈めることなく,海上特攻の命令を受け,東シナ海の藻屑となりました。
この命令は,海軍首脳部が費やした建造費を鑑みて,敗戦した後に大和が海に浮かんでいては都合が悪いとの見解から発令されたという説があります。
海軍は,官僚的になり,アメリカ合衆国を仮想敵国にみたてて膨大な予算を確保し続けてきました。
そのアメリカが本当に敵になったとき,これまで予算を確保してきた関係から,面子上戦わざるを得なかったという説があり,利き手拳がつぶれた後も負けを認められなかったという説があります(開戦をしない,敗戦を認めると,これまで予算を確保してきたことに対して責任が追及されるという意)。

現在,私達はとりあえず,平和な日々を過ごしています。
ときに身近な職場を振り返ったとき,つまらない面子から組織的に誤った判断をしていないかよく考える必要があります。
戦死された多くの方々の冥福を静かに祈り,黙祷します。
                    
Mrボンド,一体,年齢はいくつなのか?
                                by ベトン・ボンド

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