軽量骨材の受入数量について
軽量骨材の打合せをしている時に,受入数量についての質問が事務局の方から出ました。
注文する数量と請求される数量が違う明確な理由を求められたのです。
技術担当者は,受入数量を質量で考えることが多く,注文も質量(ton)でします。
しかし,取引のための見積では,骨材などでは容積(m3)で設定されている場合があります。
私たちが取引する軽量骨材についても,質量(ton)で注文し,容積(m3)で請求がきます。
事務局の質問は,質量から容積に換算する場合の方法でした。
技術担当者も,単位容積質量や軽量骨材であるため含水率に関係することは説明できましたが,どのような値が採用されているのかは,理解していませんでした。
そこで,生産者である 「太平洋セメント株式会社 関西支店 資源営業部」 に次の点を問い合わせてみました。
a) 質量から容積に換算する方法
b) 換算式に使用される係数の根拠
担当者の方から, 「太平洋アサノライトの納入数量(お取引数量)について」 として,次のようにご返事をいただきました。
1. 納入数量(お取引数量)は,容量(m3)となります。 | ||||||
・通常弊社工場出荷時は,含水状態となっております。 | ||||||
・出荷時の含水率は,品種によって異なりますが,15~5㎜では30%程度です。 | ||||||
2. 納入数量(お取引数量)の計算について・・・数量換算方法 | ||||||
① 含水状態での製品重量測定 | ||||||
・製品納入(お引渡し)時の数量は,含水状態の重量となります。 | ||||||
(納入時の伝票は重量表示) | ||||||
② 含水状態での製品重量を絶乾状態の重量に換算 | ||||||
・絶乾重量(t)=含水状態での製品重量(t)/( 1 + 含水率/100) | ||||||
・含水率は弊社工場にて出荷時にサンプリングし,試験を行います。 | ||||||
③ 絶乾重量(t)を容積(m3)に換算 | ||||||
・納入数量(お取引容積:m3)=絶乾重量(t)/製品容重(t/m3) | ||||||
(小数点以下2位を四捨五入) | ||||||
〔太平洋アサノライトの取引容重〕 絶乾状態(ショベル法)で測定 | ||||||
・15~5㎜(軽量粗骨材)の場合は,0.740 t/m3 | ||||||
・軽量細骨材の場合は,1.0 t/m3 | ||||||
④ 上記計算にて換算された数量(容積:m3)が,お取引数量となります。 | ||||||
換算例 | ||||||
太平洋アサノライト 15~5㎜(軽量粗骨材)で, | ||||||
納入時の製品重量(含水状態)が 10t,含水率が 30.0%の場合 | ||||||
① 納入時の製品重量(含水状態) ・・・ 10 t | ||||||
② 絶乾状態の製品重量に換算 ・・・ 10t/(1+0.300)=7.692 t | ||||||
③ 絶乾重量(t)を容積(m3)に換算 ・・・ 7.692 t / 0.740 t/m3 ≒ 10.4 m3 | ||||||
以 上 | ||||||
ここで,絶乾状態での ショベル法 (太平洋セメント社の社内用語) による取引容重とは,ダンプトラックに積載する場合のように,軽く積み込んだ状態の単位容積質量を意味しているとの説明でした。
また,取引容重は,関西地域で使用されている換算方法で,他地域になると,例えば 0.96 などその地域に応じた係数で除した値を採用する場合もあるそうです。