『 淘汰 』
ボンド,ベトン・ボンド。
2週間ほど前のお話です。
とある用事で近畿経済産業局を訪れた際に話題となった事項です。
ある審査官が,口を開きます。
『 今,全国の生コン工場数がどれくらいか知っていますか? 』
「 さあ?,想像が付きませんが……。集約の話しはよく伺いますね……。」
『 私たちも,最近までは5,000工場数くらいと思っていましたよ。
でも,今では, 4,000工場を割っているようです。』
早速,資料を調べてみると,9月25日発行のコンクリート工業新聞には,該当する記事が掲載されています。
コンクリート工業新聞記事
生コンクリート製造業の概要(ZENNAMA)
1988年には,生コンは 5,404工場存在しましたが,今年6月末で 3,975工場とのことです。
きつい言葉かもしれませんが,私たちの業界は,この20年間は淘汰の時代であり,なおその状態が継続しています。
サブプライムローン問題から,アメリカから経済が失速し,世界は不況に突入するといわれています。
その最中,麻生首相が誕生し,新内閣が発足しました。
この政権下では,地方の活性化を図るために,公共事業を発注するとの情報もあります。
BIGLOBEニュース
コンクリート工事が発注される可能性があり,喜ばしいことかもしれませんが,結局,地方のゼネコンを一時的に潤すだけに終わる気がしてなりません。
恐らく,企業規模を問わず,ゼネコンが低価格入札で工事落札を争うような気がするからです。
お昼のテレビニュースは,不況の影響を中小企業が一番受け,黒字経営している企業も,銀行の貸し渋りから,資金繰りが滞り,倒産する可能性を示唆していました。
日本は,工業大国といわれてきました。
これを支えてきたのは,大手の工業メーカーではなく,むしろ,中小企業で黙々と働く,職人の腕ではないでしょうか。
愚痴になりますが,本当に伝承しなければならない技術は,今では年老いたと言われる,職人さんの技であり,小難しい学問や理論ではないように思います。
いずれ,屁理屈をこねるのは上手だが,製品はイマイチの企業が増えるのではないかと心配です。
資金繰り等の問題は,経営者に委ねるとして,現場を預かる私たちは,技を磨き,伝承するための努力をして,生き残れる素地を創る必要があるのではないでしょうか。
我々HiRACは,時代に依らず不滅です。
by ベトン・ボンド