2008年10月26日 (日)

『 岐路 』

ボンド,ベトン・ボンド。
暑かったあの日はどこへ行ったのか,街を歩く人々に半袖の方は珍しくなってきています。
季節の変化は予想以上に早いですね。

また,私たちのエリアでは,10月は全国生コンクリート統一監査の時期であり,過ごしやすい季節の割に,毎年忙しい時期になります。
この監査は,同業社の組合で監査員を選出し,全国生コンクリート工業組合で定められた監査基準に基づいて実施します。

監査基準は,毎年,時代に応じて多少内容が変化しますが,現在の監査基準のアウトラインは,平成10年に決定・採用されました。

Coffee_cup ここで,昔話をします。

平成10年当時は,生コン業界はISOの取得が課題にされていました。
現在のISOの価値は定かではありませんが,当時は,外資系からの融資に有利になるとか,例えばゼネコンの場合,入札条件が有利になる等のメリットがあったように記憶しています。

当時,標準化に携わる人々の間では,いずれJISはISOに飲み込まれると判断していました。
しかし,ISOの取得は,取得費や維持費が高いとか,日常業務の作業内容を含み,すべて文書化しなければならない等から,生コン会社で取得するのは困難であろうとも言われていました。
そこで,統一監査基準にISOの要求事項を取入れ,産官学が協同して適合の有無を判断し,統一監査合格工場は,ISO取得企業と同等の能力があるとするISO取得の代替策としました。

一方,生コンJIS工場は,JIS維持の確認のため,指定された機関による公示検査(定期の検査,現認証維持審査)と通商産業局(現在の経済産業局)の立入検査(不定期の検査,現臨時認証審査)を受ける義務がありました。
生コン工業組合が,統一監査を始めたのは,これらの検査を受ける際に備えて,身内同士で検査慣れすることを目標としていたと聞いています。

Job1 JIS維持のための処置として発生した監査は,ISO取得対応策に変容し,10年の時が経ちました。

時折,監査員の方々から“なげき”を聞くことがありますし,監査員の中には基準によらず自社の考えを押し付ける方もいると訴える生コン会社もあると伺います。

現在の統一監査規準は,カタチ創りの役割を果たしたと思われます。
特に,コンクリート技士やコンクリート主任技士といった資格者の数が増加に貢献したと思います。
少なくとも,生コン各社のフレームが出来上がったのではないでしょうか?

しかし,統一監査合格は,例えば,餡まんの生地にすぎないのではないでしょうか?
中身のコシ餡は本当に入っているのでしょうか?
入っていないならば,餡を生地に注入しなければなりません。
えっ!,餡が入っているって! それなら何故,店で売らないの?

ある人が嘆きます。
『 我々は,公示検査・立入検査,統一監査,さらにISOを取得しても,ちっとも信用してもらわれへん 』

今,私たちは大きな岐路に立たされています。
同業社だけに通用する合格証は時代遅れです。
その合格証が,施工者や施主から評価されるシステムを構築しなければなりません。

                    HiRACは,若い力で未来を切り拓きます。
                                by ベトン・ボンド

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