『 品質管理 』
ボンド,ベトン・ボンド。
今日は,品質管理について考察してみましょう。
わが国で品質管理は,第二次大戦後に発展し,日本の工業製品の品質向上に貢献したといわれています。 品質管理
『 品質管理 』 とは,例えば “ 圧縮強度 ” といった特性値を,ある規格のもと一定の不良率以下となるように管理する行為を意味します。
品質管理が目指すところは,不良率ゼロですが,圧縮強度といった計量値(測定行為により得られる値)は,不良率をゼロに近づけることはできても,ゼロにすることは,統計学上不可能といわれています。
次に私たちの父あるいは祖父の代が,なぜ 『 品質管理 』 を導入したのか考察しましょう。
それは,第二次世界大戦の敗戦に要因があると思われます。
“ 大東亜戦争 ” とか “ 太平洋戦争 ” と称されるこの戦争は,アメリカ合衆国を中心とする欧米列国や中国を相手とし,1945年8月15日に敗戦というかたちで終結しました。
戦後,あらゆる人物が敗戦要因を検討していますが,要因のひとつとして,アメリカ合衆国との工業生産力の差が挙げられています。
工業生産力の差というと,鉄鋼等原料や石油等の燃料の埋蔵量や工場数の差等を表しています。
たしかに当時も現在も日本は,アメリカより資源や生産力が優れているとはいえません。
しかし,これだけが工業生産力の差になったとは思えないのです。
例えば,当時の日本の軍隊は,武器の基準が陸軍と海軍で異なり,鉄砲の弾は,海軍・陸軍で規格の違いから,貸し借りできませんでした。
当時,最も重要な武器となった飛行機についても,陸軍と海軍で仕様が異なるためお互いの飛行機の操縦法が異なりました。
陸軍と海軍で基準が統一できなかったのは,お互い組織としては役人化していたためと考察しています。
つまり,資源の豊富なアメリカの武器は,少品種大量で生産され,資源の乏しい日本の武器は,多品種少量で生産されるという,あべこべのシステムだったのです。
資源埋蔵量や工場の数だけでなく,日本には大量生産をおこなうシステム(規格統一化等の単純化)がスッポリ抜けていました。
このように記述すると,なぜ日本工業規格(JIS)や JISマーク表示制度が普及したか,理解できると思います。
さて,“ 生コン ” にも 『 JIS A 5308 レディーミクストコンクリート 』 という日本工業規格が存在し,JISマーク表示制度が最も普及した工業製品であるといわれています。
日本工業規格を靴のサイズ(またはデザイン)として捕らえると,ボンドにはひとつだけ疑問があります。
それは,
”『 JIS A 5308 レディーミクストコンクリート 』 という靴は,本当にヒトが履ける靴なのか?”
と言うことです。
娘はひとりで座れるようになりました。
- ベトン・ボンド -