2008年4月 6日 (日)

『 憂い(うれい) 』

ボンド,ベトン・ボンド。

今日は,憂いのお話です。

本題に入る前に,現在私たちの業界が置かれている状況についてお話します。

私たちは,様々な基準や仕様書によって制約を掛けられています。

それは,日本工業規格(JISA5308  レディーミクストコンクリート)や土木学会コンクリート標準示方書(RC示方書),日本建築学会(JASS 5)等の仕様書を意味しており,いずれも今年中に大改定が予定されています。

今までコンクリートは,フレッシュ状態の可否を判断する基準(スランプ,空気量)や硬化後の強度を対象に品質管理をしてきましたが,今後はコンクリートが縮む量のコントロールや,練混ぜ製造時材料計量値の公開を前提とした管理体制を構築しなければなりません。

これは,コンクリート構造物の高寿命化や,耐震偽造や食品の偽証表示等が背景になっていると思われますが,私たちはこれらの課題を乗り越えていかねばなりません。

さて,本題に入ります。今から1週間ほど前の3月末のお話です。

花粉の飛散が最大と思われたその日,地方として位置付けされる某県まで偵察に行きました。

昨年,高速道路が延長し,私たちの町に近くなったものの,ボンドは車を3時間半程度運転して,やっと目的地に着きました。

目的地に着くまで,生コン車とすれちがうことがなかったため,小泉政権が実施した構造改革で公共工事が減少した影響を感じることができました。

さて,この地域の生コン工場は,土木建築業の生コン製造部であり,出荷先は大半が自社の工事である様子。

このため,土木建築工事を落札する際には,企業間の競争があるようですが,生コンの販売ではほとんど競争がありません。

出荷先が自社であることから,品質クレームもほとんど発生しないため,生コン製造技術の研鑽がほとんどなく,先の大改定の情報も彼らの心には届きません。(彼らにとって現実味がないのです!)

経済的な地域格差だけではなく,生コン会社のレベルにおいても地域格差は存在し,これから益々拡大すると考えられますが,これを埋める妙案も浮かびません。

生コン業界の地位向上を鑑みると,地方に存在する工場の底上げのために何をしたらよいか,満開の桜を眺めながら,ふと憂いを感じるボンドでした。

                                     - 満開の桜の木の下で -

Nyugaku03

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