いつまでも拍手が鳴り止まなかった。 |
誰に対するものでもなく、決勝に全力を出し切ったクルー達へのものである。 |
ふと、振り返ると仲間たちがゴール近くまで走りよってきていた。 |
クルーが知らない、君たちを讃える光景だった。 |
|
天を向く君、水面を見つめながらひたすら戻ってくる君 |
顔が年を重ね、筋肉が疲労に震えていても、心は青年だった。 |
|
言い訳をしない。 |
おごり高ぶらない。 |
理由をつけない。 |
そして、結果をねだらない。 |
そんな姿に、観衆は胸を奮わせる熱き想いを感じていた。 |
|
ポスターセッションでリーダーは上位入賞を広く宣言した。 |
|
メンバー23名それぞれが |
職場を守るために身につけてきた知恵で |
言葉だけでなく仕事で勝負してきた |
現場のプライドからだった。 |
|
無名の HiRAC を徐々に観衆が口にし始める。 |
メンバーが神戸新聞の取材を受ける。 |
|
これが、評価だ。 |
無心の行為が、評価を生む。 |
|
決勝レースに残った6艇 |
グループ HiRAC Beton 2、ベスト3のタイムでファイナリストに躍り出た。 |
一般団体の部では、唯一の艇である。 |
|
スタートライン、疲れてはいたが凛としていた。 |
|
結果は4位。 |
最終的には組織票に敗れ総合6位となった。 |
だがそれは、我々の実力の物差しでは決してない。 |
|
メンバーたちは、次回の参加を口々に拒否した。 |
しかし、信じている。 |
日々の職務をこなしながら、 |
新たなステージに再び挑む青年達を!!!
|