阪神道路公団が単位水量測定の実験
平成15年10月2日付けで「レディーミクストコンクリートの品質確保について」が国土交通省より通知されました。これにより,1日のコンクリート打設量が 100m3以上の工事では,フレッシュコンクリートの単位水量を測定することになりました。 国官技第185号
単位水量の測定方法には多くの方法があります。本通知およびその運用の中では測定方法を特定していませんので、測定方法の選択は各現場の判断で行うこととなります。
国土交通省では,測定機器を独自に選定し,測定を生産者や試験代行業者に任せることなく,国土交通省の担当者が現場で抜取検査を行うとなっていますし,各種関係団体においても『単位水量推定マニュアル』などを作成し,管理体制の確立を図っています。
このような流れの中で,阪神高速道路公団も,単位水量測定機種選定の目的で兵庫・大阪・京都の地域で代表工場を選び実験を行っています。
4月30日から始まり,兵庫大阪生コンクリートが参加した実験では,5つの測定方法が試されました。
実験では高周波加熱法(電子レンジ法)で管理し納入したコンクリートを,5台に1回の頻度で各々の方法でデータが収集されました。
工場の管理値・5種類の測定値の間には,測定原理に応じた一定の傾向は見られるものの,際だった差は見受けられませんでした。
このような実験がこれからも数回実施され,測定精度・測定時間・現場適用性などを検討し,阪神道路公団としての単位水量推定機器が決定されます。
耐久性に大きく関わっている単位水量の問題が,測定機器の開発・改良に拍車をかけ,測定値が参考値から管理値として見られるようになってきました。測定方法のみならず測定誤差・測定原理を理解しとまどうことなく,日常管理や現場への対応に生かしていきたいものです。
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